コネコのおうち

子育てを科学的に分析します!

子ども達が成功するために私たちができること

お金持ちでなくたって、子どもが高学歴でなくても成功はできます!

「成功する子 失敗する子」という本を読み、子ども達が将来成功する要素が書かれていたので紹介させてもらいます。

 

1貧困の家庭と子どもの能力に関係はあるのか?

本書によると2009年のコーネル大学の実験において、「家庭の経済状況」と子どもの「ワーキングメモリ」に深い影響があるという結果が出ています。ワーキングメモリーとは「同時に何かこなす能力」「物事を我慢できる意思、能力」のことを指します。具体的にはニューヨーク州の田舎町で195人の17歳の若者にワーキングメモリーを計るテストを行ったところ10年を貧困の家庭で過ごした子どもはその期間が5年の子どもよりもテストのスコアが低かったということです。では、貧困な家庭で生まれ育った子どもは生まれつき「ワーキングメモリー」が良くないということでしょうか?実はそうではなく、この実験には続きがあり被験者のストレス負荷の値も測るということをしました。その結果としてストレス負荷が大きく、困窮である期間が長いほどテストのスコアが低かったのです。さらにストレス負荷の影響を取り除けば困窮した期間とテストのスコアには関連がみられなくなりました。このことから貧困そのもではなくて貧困によるストレスが子どもの脳に悪影響を与えていることがわかりました。要するに、子どものワーキングメモリーというものは遺伝的ではなく環境によるストレスが影響してくるということです。

 

2子どもが将来成功する要素はテストの成績なのか?

子どもの「ワーキングメモリー」は生まれつきではなく後になって育つものだということはわかりました。ところで他の疑問として学校で勉強している学力といったものは子ども達が将来成功するために大切な要素なのでしょうか?本書では「今日の若者は大学に行ける子どもが増えたが同時に中退をする子どもが増えた。卒業する能力こそが成功に導く鍵である」と主張しています。では卒業する能力とは具体的に「最後までやり抜く力、誠実さ」といった「性格の強み」のことを指します。要するに、大学に入ったのはいいものの目標もなく勉強をしていればモチベーションもなく、学力でつまづきがあると自分はダメな人間だと思い大学を辞めていくケースが分かりやすいと思います。本書はアメリカの大学のことを指していますが日本の大学でも同じ傾向があるように感じます。入学した後、学歴のみを維持するために最低限単位を取得して学生生活の大半を遊びに費やしている人は少なくないでしょう。

 

3子ども達のために私たちにできることは、、、、

親が子どものためにできることはなんでしょうか?本書を読んで個人的に感じた3つの「今からできること」を挙げます。

 

1学力よりも将来の成功に必要な「性格の強み」は生まれつきではない認識を持つこと

 子どもの性格は変えられないものとして扱うのではなく、周りの努力や本人の努力で変えられるという認識は大切だと感じています。

 

2失敗を多く積ませること

 今日の子ども達は高校から大学にいく決まり切ったレールがあるためか挫折をする機会が減っているように感じます。子どもの性格に必要な「自信」といったものは失敗を乗り越え成功をした時にこそ身につくものです。

 

3子ども達がストレスに押しつぶされないように環境を整える

これは貧困のストレスが子どもに与える影響を記述した通り、過度なストレスは子どもの性格に悪影響を与えます。例えば、親が子どもの話に耳を傾けてあげるといったり、場合によっては地域や専門機関の手を借りる必要もあるでしょう。

 

以上、子ども達の将来の成功には「性格」が大切!という内容の本でした。個人的には子どもに多くの失敗を積ませるという観点は非常に大切だと感じており、大人の方でも「自信」「逆境に耐える力」をつけるために大切になるのではないかと感じています。

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